ADHDの生き方探し

得意な生き方を選んで一度きりの人生を充実させましょう。

1.発達障害関連 3.ライフハック(仕事・健康・お金)

No.87(発達)産業医面談のメリット・デメリット

投稿日:


私、以前休職した経験があるのですが休職後4年間会社の産業医面談を受け続けていました。4年が経過した今月に終了したのですがその体験や思った事を書きます。

産業医面談とは?

企業(事業者)は産業医面談以下に該当する場合、従業員の勤務の状況や疲労の蓄積の状況、心身の状況を確認し、疾患リスクを減少させる目的で、産業医面談を実施する必要があります。

①健康診断の事後措置(異常の所見のある従業員がいた場合)
②長時間労働者と認められたとき(自分の会社は月80時間超)
③高ストレス者と認められたとき(ストレス度の高い回答をした従業員)
④休職・復職時(自分の会社は復職後一定期間も継続)
⑤その他従業員が自身の健康について相談したいとき

私は④に該当し、クローズで働きながら合理的配慮程ではないまでも、働きづらさを軽減するような支援を受けていたので、私なりに感じた産業医面談の実態とメリットデメリットは以下のとおりです。

面談の実態とメリット・デメリット

1.面談の実態

面談の実態はこうでした。

①面談時間:15分~30分

働く上での心身の健康上の問題(体調や職場の人間関係)の悩みなどを話します。それに対し産業医が対処法を助言したり、就労上の課題を職場の上司に所見として伝達します。例えば私の場合はこうです。

原因:上司との人間関係が悪化(パワハラによる)
状況:私が適応障害を発症した
対策:その上司と異なる部署に異動(復職して3か月後)

私はその後に発達障害の診断を受けたのでこの悩みについても相談しました。具体的には①マルチタスクに時間を要する②厳格な期日管理が求められる行事関連の対応が困難③視覚記憶が極端に弱く転記系の入力にミスが多い、といった事を相談し業務内容の配慮を受けていました(とはいえ元々残業が多い部署なので相当苦労しましたが)。とはいえ医療機関等で受けるほどの時間や治療目的の助言を受けることは難しいと思います。

②実施内容は人事部署・職場に伝わる

産業医面談の結果は、人事部署(衛生管理者やストレスチェックの実施事務従事者など)、職場の上司(上司に問題がある場合はその上の上司)に本人意思や産業医所見を伝える必要があります。なので従業員本人が「この内容は言わないでほしい」という事でも完全に秘密にすることができませんので、プライベートな個人情報の取扱いに対して不安を持つ従業員はいるでしょうね。私もクローズで就労している身だったので「発達障害が職場の全員に知られるのでは?」と不安になりました。

ちなみに私の場合クローズ就労なので、課長以上が私の発達障害を知っている(職場の他の人は知らない)という状況です。基本的に合理的配慮はないが、困った事は相談できるという点が障害者雇用とは違う点です。

③面談日や頻度は会社任せ

もし医療機関に通院するのであれば、病院の診療日は決まっているものの診療日は患者である本人が「行ける日」「頻度」を決めます。産業医面談の多くは2~3ヵ月、多くて月1回度程であり、実施日も会社の指定する日になります。産業医面談自体、治療が目的ではないので仕方のない事なのですが。

2.メリット・デメリット

次に私の感じたメリット・デメリットを書きます。

メリット:職場の問題から守られる安心感

産業医はその会社の各部署の実態や情報を得た上で助言や指導をしてくれるため、従業員にとっては実際の出勤データにもとづく労働時間や人間関係の実態を踏まえたサポートを受けられる安心感があると思います。私の場合、苦手な業務内容の変更や、ミスが発生しそうな業務に対し後輩を付けるなどの措置を上司を通じてしてくれたのが助かりました。

病院などの医療機関では医学的な見地から患者の治療に当たりますが、必ずしも職場環境を患者のレベル感で理解しているわけではありません。産業医は医療と会社の実態の両方を理解した専門職です。会社の味方をするわけではなく、従業員が健康であり労働を続けられるように関わってくれます。産業医の手腕にもよりますが「自分は守られているんだ」という安心感を得て働ける効果は大きいと思います。

私の場合は①不得意な仕事を削ってもらったり、②残業が恒常化している業務に後輩を補助要員として割り当ててもらう、措置をとってもらい心理的に大分楽になりました。人によっては上司に直接言えない(特に上司自身との人間関係が悪い場合)と思うのですが、産業医を使って困り事を解決するという方法もあるという事を覚えていただければと思います。

デメリット:昇進昇級が打ち止めに

これは人事部署で働いているから分かるのですが、配慮を受けている人の昇進昇級はとても遅いです。特に会社は①評価(売上達成などの業務能力・後輩指導など)と②勤怠(遅刻・早退・欠勤)と③懲戒(横領・飲酒運転などでの処分歴)にもとづき昇進昇級を決めます。プラス評価は①で、マイナス評価②③なのですが、②③がある事自体その後の人事評価が継続的に低くなり、挽回するのは非常に難しいです。自社の場合はこんな感じが多いです。

①課長などの管理職層への昇進がなくなる→マネジメント職制の適性が疑問視
②会社の主要業務から外される→会社だと窓際族(花形ではない関連会社への出向)
③昇給が遅れる→①②に付随して発生し、結果として評価が低くなる

給与が上がる年代で昇給が止まるのはかなりきついです。自分も同期と比べると標準昇格で4~8年くらいは遅れてしまっているので、内心かなり焦っています。結論としては「健康上の配慮」と「昇進昇級」はトレードオフ(片方が増えれば、もう片方が減る)という事なのです。この辺は嘆いても仕方がないので、収入の柱を他に作るという方法を検討するのもいいでしょうね。

最近新聞を見ていると、大手企業でも副業も解禁しているので、副業のハードルも下がってきていると思います。得意な事を活かす、例えば①イラストを描いたりアクセサリーを作って売る、②業務委託で仕事をもらって作業する、などが前向きな対策になるのでしょう。私もメルカリやヤフオクをやっていましたが、最近はイラストをアップロードしたTシャツやグッズの販売もやっています。そういうサイトを研究してみるのもいいと思いますよ。→ちなみに私のサイトはこれです。

にほんブログ村 メンタルヘルスブログ 発達障害へ
にほんブログ村

にほんブログ村 メンタルヘルスブログ 大人のADHDへ
にほんブログ村

にほんブログ村 ライフスタイルブログ ポジティブな暮らしへ
にほんブログ村

-1.発達障害関連, 3.ライフハック(仕事・健康・お金)

執筆者:


comment

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

関連記事

No.48(健康)精神のお薬飲みながらダイエット

精神科に通う患者さんは、疾患そのものや処方される薬の影響によってメタボリックシンドロームが生じる率が一般人に比べて高く、人生という長期のスパンで見たときの健康問題になるというのは精神科医の中では常識だ …

No.61(発達)特性と才能の違い

発達障害者こそ才能に頼って生きるべき 発達障害というと何かが「弱い人」のイメージがありますが、世の中には発達障害(推定含む)を活かして、活躍している人もいます。そもそも活躍している人は社会で成功してい …

No.6(仕事)発達障害の向く仕事

前回の記事で発達障害の特性には長所があると書きましたが、発達障害のある人の長所が生かせる仕事ってあるの?という疑問を持たれる方もいると思います。「ADHDはコミュニケーションを活かした営業や接客、また …

No.30(生活)断捨離は段ボール10個で

ADHD苦手な人の1つにモノの片づけがあると思いますが皆さんはいかがでしょうか? 私は最近ヤフオクやメルカリで不要な服や本などを処分しまくって大分減ってきてはいるのですが、一定数減ると今度は買いたくな …

No.5(発達)初めての病院・薬

発達障害を個人の心がけや意思の力だけで乗り越えるのは困難で、医療機関の専門家の力を借りて楽になる面もあります。今回は ①ADHDの診断を受けるためにはどうすればいいか? ②治療方法としてどんなものがあ …