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2思考のクセ・他者理解

No.80(思考のクセ)ダメ出しをプラスに

投稿日:2022-07-22 更新日:

今回は職場で受ける指示でパニックにならないような工夫を書きます。集中しにくい・1つの事に集中すると他の指示が頭に入らなくなるなど発達障害を持っていると指示を理解するのも実行するのも実は難しかったりするんですよね。

注意・指摘に混乱しやすい発達障害者

「そんなに難しいこと言ってるかな?ただ~してくれるだけでいいんだけど…」発達障害を持っていると何度となく聞く言葉です。相手は何気なく言っているんでしょうけど傷つきますよね。欠点をズバズバ言ってしまう態度は発達障害者には「悪手」です。言われた本人は「自分は簡単なこともできないんだ…」とダメ人間のように思い込んでしまうからです。

人間だれでも自分のやったことやできない点を正面からズバズバされると萎縮してしまうものですが、指摘や注意の仕方を誤ると、本来普通にできる能力まで発揮できなくなってしまうんですよね。以前の記事で書いた「セルフ・エフィカシー」(自分はやれるんだと思える力)を下げ、わざわざ失敗するように自分を誘導する「負の暗示」がかかるのです。特に自閉傾向のある人は逃避モード(周りの人なんて関係ない)に入ることで、それを見た人が「注意を聞かない」「反抗的な態度だ」と受け取って人間関係まで悪化することもあります

高速道路で自動車を運転しているときに、片側二車線の狭いトンネルに入ったときにセンターラインに寄ってしまった時に「ほらダメじゃん。真ん中寄り過ぎだよ!」と言われるとなぜかセンターラインに寄っていってしまう経験はありませんか?
仕事で上司から「違うでしょ!ほら、これをこうして!」と注意されればされるほど、考えがまとまらなくなり、作業が遅くなる経験はありませんか?

1つ1つの指示はもっともでも、聞くことを意識しすぎる事で中身が頭に入ってこず、できるものもできなくなっていくというのが発達障害ではよくある事なんです。結局教える側は相手によかれと思って教えたつもりが、逆に相手を縛り動けなくしているのです。

では発達障害の人にはどう教えるのがいいのか?

実は発達障害の人にはあえて「教えない」のがプラスに働くことがあるんです。正確に言うと「意識させない教え方」というやり方ですが、これは実際のコーチング手法としてアメリカで確立されています。例えば野球のバッティングを指導するときに

「振り始めの肩の動かし方はこう」「腰はこう回しなさい」「足はこう踏み込むんです」

ではなく

「ボールの縫い目をみなさい」「バットがどこにあるかイメージして」

と言う方が選手はリラックスしてバッティングに集中できるとのことです。

理由は前者が「教える側の観察」、なのに対し後者は「教わる側の観察」が働くためだそうです。別の言い方をすると前者が「相手発」の意識に対し、後者は「自分発」の意識であり、こういう「教えない教え方」がコーチングの極意なんだとか。

確かに発達障害があると相手の指示通りに動くより自分に任せてもらった方がうまく行く事が多いと思いませんか?自分に任せてもらう、というのをもう少し掘り下げると

「自分で自身の観察を促すこと」

なんだそうです。はこれこそが発達障害の人が生き生きと行動・活躍するための秘訣なのです。そしてもう1点

「抽象度を高める」

なんですね。つまり「肩はこう動かす」「腰はこう回す」「足はこう踏み込む」という具体的な指示では他人目線に縛られてしまいます。そこを「縫い目」「バットの位置の確認」という漠然としたイメージをすることで「どういうことだろうか?」と勝手に頭が回転しはじめるそうです。これこそ自分目線で考えることになるんですね。

ダメ出しの成否は「信頼関係」にあり

このように「抽象度の高い話をして相手に考えてもらう」という行為はコーチングを行う際にも大切な「信頼関係」を作るのに欠かせないそうです。「信頼」という言葉は日常よく使われますが、改めてその意味を問われると難しいと思いませんか?

人に何かを教えるときに大事なのは方法論や技術ではなく、「ラポール(信頼関係)」なのだそうです。ラポールはフランス語で「関係や類似点」という意味です。心理学では「信頼関係」の意味として使われています。ここで必要とされるラポールは「私はあなたの仲間です。だから安心してください」というメッセージです。こういう信頼関係を重視したメッセージを送る事でただの「教える教えられるという上下関係」ではなく

「信頼できる上下関係」に発展するのです。

どうやってラポールを築くのか?

最後にラポールを築くにはどうすればいいのか?これは太古の時代から人が他人を信じるときの心理と同じです。「この人は獲物を奪い合う敵なのか?それとも協力して獲物を狩る仲間なのか?」を判断するとき、人は何を判断材料の尺度としていたのでしょうか?

それは「類似性」「共通性」です。具体的には、

同じ見た目(服装、髪型、表情)をしているか?

同じ文化(価値観、マナーや作法、言葉遣い)をしているか?

こういう類似性は現代社会においてもラポールを築くうえで欠かせません。そういう意味ではどんな場面でもTPOをわきまえる事は大事で、とりわけ相手に対して信頼感をもってもらいながら強制力のある指摘をするときは十分に気を付けた方がいいです。相手がフォーマルな服装をしているのにカジュアルなTシャツやジーンズを着て注意する、敬語を使うべき職場でやたらとタメ口で馴れ馴れしく話しかける、というのは悪手なんですね。

「正解は相手の中にある」

これを意識していると相手と信頼関係を築けるそうです。プラス抽象的な言葉で考えさせる指摘をしていきましょう!そして注意するときは褒め言葉も1つ用意しておくと相手も抵抗感なく受け入れてくれるかもしれません。

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