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2思考のクセ・他者理解

No.76(他者理解)相手の懐に入るコーチング会話術

投稿日:2021-10-10 更新日:

新聞記事やSNSのトピックに会話上手になるには?的なものをよく見ます。会話って術ではなく「その人に魅力があるか否か」で半分以上決まると思っていますが、これは生まれ持っての素質もあるでしょう。好印象を与える外見や服装、人をワクワクさせる表情や話し方、これがあればあまり中身のない話でも人は話を聞いてくれるものです。でも今回はあえてテクニックというか心がけとして「ここに気を付ければ会話はうまくいくよ」という内容です。参考にしたのはコンサルティング・コーチング~中小企業診断におけるコーチングスキルの活用~(同友館)です。

コーチングとは?

コーチングとは専門の訓練を受けたコーチと呼ばれる人が顧客(コーチを受ける人)に対して質問や助言をすることで顧客が目標を達成したり、夢を実現するための「支援」です。
コーチングはスポーツの監督や会社の上司のような「指導」「指示」ではなく、相手の話を傾聴するカウンセリングとも違います。それは顧客に対し①「自分で考えるための問い」を出してもらい、②「今後の目標を明確にしてもらう、行動を起こしてもらう」ことを絶対的な要件としている点です。なので専門的な訓練を受ける必要があるのです。コーチングを受けるメリットとしては、
・潜在能力の開放
・能力発揮の向上
・充実感や自己肯定感の向上
などがあり、スポーツ選手や企業の幹部もその分野の専門家からコーチングを受けています。スポーツの成功例で言うと日本のサッカー水準は昔はワールドカップ予選に出られれば大ニュースだったのに、今は決勝トーナメントでベスト8を目指す、という飛躍的なレベルの向上を果たしていますが、これは幼少期からの英才教育をした選手指導の強化に加え、コーチングによる意識改革が大きいと言われています。

例えば日本が初めてサッカーW杯に出たときの日本代表監督、岡田武史氏は選手の意識を変えることで今まで負けていた試合でも勝てるようになったそうです。監督になる前の日本代表コーチ時代の手記でこんなことを言っています。
「招へいした外国人コーチが困っている。日本を代表する選手がいちいち『この状況でどうプレーすればいいですか?』を聞きすぎると。多分サッカーを「習う」ことに慣れ過ぎて「考える」ことができていない。W杯強豪国は自由な発想を尊重されるから、難しい局面でも自分で判断し相手に勝とうとする」。
この意識を長い時間をかけて「自分の判断で決める」に変えさせてから日本はW杯出場が当たり前のレベルまで強くなったそうです。

コーチングを会話に活かすには?

そしてこのコーチングはスポーツや仕事だけでなく、友人関係やご近所づきあいにも活かせます。それは会話の中で相手の話を引き出せる点です。こうすることで相手の興味や関心事を知り、会話の今後の方向性を理解できたり、今後の人間関係の維持につながるのです。そのポイントは相手の心理状態の3種類に注意を払うことで可能になるそうです。

行動状態:心理的に障害がなくモチベーションも高い。やりたいことをすぐに行動に移せる状態
可動状態:自主的にやる気は出せないが、支援がなければ行動できない状態
不安状態:心理的に不安を占める割合が高くい。行動はおろか課題について考えるのもきつい状態。

まず相手がどの状態にあるのか?
①なら相手は行動に移す体制は十分なので、相手の質問や提案に対し自分の意見を「こうしたらどうですか?」のように前向きに伝えれば賛成意見でも指摘や批判でもでも会話が弾んでいきます。仮に意見が対立したとしてもやる気が十分の相手からは「それは違うよ」と素直な意見が返ってきますし、耳に痛いけど役立つ意見なら「教えてくれてありがとう」と言ってくれ良好な関係を築けるでしょう。
②なら相手はやりたいことはあるのになぁ、という状態なので「気になっているけどしない」「わかっちゃいるけどできない」といった相手が先送りしたがっているテーマが出てきたら「じゃあいつまでにやりますか?」「優先順位は何ですか?」「どうすればできそう?」と背中を押してあげるような声掛けが有効です。
③なら相手は誰かに不安を話したがっている、頼りたいと思っていることが多いので、こちらから「何か悩みや不安はないですか?」といった感じで、相手を安心させる、落ち着かせることに意識を向け、相手の悩みや不安を聞くことに徹するスタンスが良いでしょう

心理状態 支援方法
行動状態 解決策の提案(やる気は十分あるので方法論を提示する)
可動状態 やる気を引き出す(5WIHで相手ができることを考えてもらう)
不安状態 安心して、落ち着いてもらう(相手が考える余裕を作り出す)

NG例は、不安状態の人に「いつやります?」「優先順位は?」などと行動を促す(相手がその意味を理解できる状態ではないのに)、可動状態の人に解決策を提案して相手を無意識に追い詰めて尻込みさせてしまう、というような感じです。

会話を広げる「相手から引き出す」質問

最後にどの心理状態での会話から会話を引き出す質問について紹介します。

①拡大質問 オープンクエスチョンとも呼ばれますが、YES、NOで答えられる質問ではなく、相手が色々考えて多くの情報を伝えられるような質問です。例えば「有名人の~は好きですか?」ではなく「有名人の~についてどう思いますか?」と聞くやり方です。

②未来質問 過去や現在についてではなく、未来の質問をするというものです。この時に大事なのは空想や夢想のような現実にかけはなれたものではなく、「自分のゴール」としての未来を設定してそれについて前向きな意見を引き出すやり方です。

③肯定質問 「何ができなかった要因か?」ではなく「何をすればできるのか?」という肯定的な部分に目を向けることで、成果をあげるための発想が生まれやすくなる質問です。

これらの質問をするときに心がけるポイントがあるそうです。それは「会話の方向性を考えない」「相手の回答を予測しない」「相手の意に沿わないようにリードしない」ことです。双方が対等になり上下関係を作らないコーチングでは上記を心がけることでより多くのを相手から引き出せて会話が盛り上がります。

最後に(個人的な感想)

自分のよくやる事なのですが、自分にとって快適な言葉、嬉しい言葉をかけてもらった時に「ありがとう」と感謝の気持ちを一言添えると、相手との会話が楽しくなります。あと会話テーマ以外に、相手との共通点を探すのも大事なポイントです。発達特性があると趣味や好みを無視して一方的に自分の好きなことを話してしまいがちですが、相手が聞きたいのは自分との共通点がある話だと思うので、好きな動物、休日の過ごし方、なんかを話すと仮に当初想定していたテーマの話は盛り上がりに欠けてもそっちで盛り上がれば良しくらいの考えがあってもいいんでしょうね。

また相手に自分の事を知ってもらうには「よく〇〇します」「〇〇が好きです」という自分なりの自己開示をして印象づける。そこで「あ、自分もする(好き)」自分のストライクゾーンの返しが帰ってきたら「気が合うね」と言ってつながりを深める。また相手の会話が好きじゃなくても、ストレートには言わずに「へえーそうなんだ」と暖昧に笑うってのも会話を切らないコツになるんだなと。以上会話のテクニック、そして人に共感される気遣いと素直さを意識して、会話を楽しんでいただければ幸いです。

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