ADHDで40年以上生きていると意識すらしなくなるのですが、とにかく3日坊主というか何事も続かないんです。そんな中年末に見たNHKのBSで放送されているCOOL JAPAN(日本文化や日本の技術の特徴や素晴らしさについて外国人コメンテーターと意見交換する番組)を見て「何かを続けること」のヒントがあったので私が忘れないうちに紹介したいと思います。(実際この記事を書こうと思うまで忘れかけていました…これも年のせい?)
1.ヒントはネコ(=^x^=)
それは「ネコの曲芸」というコーナーでした。ネコが障害物を乗り越えたり綱渡りをしながら目的地にゴールするという内容でした。
番組の進行でVTRをスタジオの様々な国の参加者が見た後に「これはcoolか、not coolか?」のパネルジャッジがあるのですが、あまり映えない絵面のせいか半数近くはnot cool(coolじゃない)というイマイチというか地味な結果でした。
not coolの理由は①トラやライオンに比べればサイズ感は小さい、②ネコはそこら辺で見かける珍しくもない動物だから、というのが主な理由でした。でもそういったnot coolの多さに対し、あるロシア人が真っ向から反論しました。
「あなた達はネコを調教するのがどれだけ難しいか分からないでしょう!」、と。
ロシアはネコの曲芸の発祥の地だそうで、プライドがあったのでしょう。まずネコって基本的に曲芸に向かない動物なんです。確かにネコを飼っているとお手もしないし、自分のタイミングで甘えたり、部屋や家からいなくなり、いつの間にか帰ってくる気まぐれなイメージですよね。
2.ネコを調教するコツ
そんな気まぐれなネコをどうやってやる気にさせるか?ポイントは3つありました。
①訓練は1日10分
水族館のイルカやアシカでも1日最低1時間はトレーニングするそうですが、ネコは10分が限度。でもその気まぐれさは尊重すべきで、この貴重な時間を守ることが大事。10分にいかに集中させるかが勝負です。日によっては10分も持たずに早々に芸を諦めるときもあります。それでもネコに任せるのが訓練者の心得だそうです。
②訓練時と訓練以外で世話係は分ける。
訓練者が訓練以外のときもネコのそばにいると、ネコはリラックスできなくなるそうです。だから餌をあげたり部屋を掃除するなど訓練以外の時間は訓練者はネコと決して顔を合わさないそうです。なるほど、ネコが一定の場所や人に固定されないのは常に気分転換を必要としているからなんですね?あれ?これ誰かさんと似ていませんか?ADHDもそうですよね。
③できたら素直にほめる
これはどの動物の曲芸でもそうですが、信頼関係ですよね。でも人一倍、いや動物一倍気まぐれなネコだからこそ、気分をアゲアゲにしてくれるパートナーは貴重なんです。「そこまで気分よくさせてくれるならやってやるか」となるわけです。というわけでADHDもネコと同じくまずは10分の集中から始めてみるってのがいいかもしれません。さすがにやることまで与えてくれるご主人はいないと思うので、やることは自分で決めないといけませんけどね。
3.書評(続ける技術)
話変わって最近読んだ本の感想「続ける技術(石田淳)」です。この本のエッセンスは3つです。
① 「過剰行動」と「不足行動」に注目する
②自然に行動できるような環境を整える
③見える化してフィードバックする
① 「過剰行動」と「不足行動」
この本の著者は 「行動分析学」という学問から発展したもので、人の行動を科学的に解明し、ビジネスや日常に応用しましょうという持論です。
1)ABCモデル(行動は3つの要素からなる)
・A → 先行条件(Antecedent)
・B → 行動(Behavior)
・C → 結果条件(Consequence)
A「〜だから」、B「〜する」、C「その結果、〜になる」例:A「暑いから」、 B「エアコンをつける」、C「その結果、部屋が涼しくなる」
2)行動には 「過剰行動」と「不足行動」がある。それのカギを握るのは先行条件である。
「過剰行動」 はやめたい行動、ギャンブルや喫煙など、「不足行動」 は足りない行動、勉強や運動などです。
「過剰行動」の削減が目的なら 起きにくい先行条件を整える。(例:夜に甘いものを食べてしまうのを減らしたいなら、食べたくなった時に友人や彼氏に電話する)「不足行動」の追加なら 起きやすい先行条件を整える。(例:ダイエットのためのジョギングが続かないなら、日々体重計に乗り体重を記録する習慣をつける)
②自然に行動できるような環境を整える
行動前後の内容を調査する。調査の意味は、①不足行動なら:メリットをより強く感じられ、行動の発生を促せるから。②過剰行動なら: 行動後の「メリット」を「別の行動」に置き換える事で発生を抑える事ができるから ポイントは 行動の①数を増やす要素と②動機づけ条件に気づくこと。
1)行動前のリサーチ どんな時にその行動を取りがちかを調べる 例:行動=ジョギングに行く。フロント行動=①ストレスが高いとき。日々満ちらりていると逆に行かないことが多い。②お腹が減っているとき(ジョギング後に食べるぞというやる気が出る)
– どんな気持ちで発生しやすいか?
– 誰がいる時に発生しやすいか?
– 発生する前に、あなたが行う行動や出来事は?
– 発生する前に、あなたの周囲の人が言ったことや行動は?
– 発生する場所、一緒にいる人は?
2)行動後のリサーチ その行動を取ったらどんなメリットが生まれるのか調べる。例:行動=ジョギングに行く。アフター行動=①体重計に乗るのが楽しくなる、②自信をもって外出できる・人に会うのが楽しくなる、③ほかのことにもチャレンジ意欲が生まれる
– 生まれるメリットは?
– 周囲の反応は?
– 前は嫌だった何かが嫌でなくなる?
3)足りない行動の増やし方・止めたい行動の減らし方
各行動のフロント・アフター行動リサーチをする→ハードルは何かを考える
③見える化(フィードバック)
– 目標の進捗状況を視覚的に把握すること
– 表やグラフなども活用
– スマホや紙などを使って常に確認できるように
– 目に見えるようになるとわかるもの
– 設定したターゲット行動が適しているか
– 目標に無理がないか
– 目標だけでなく、行動の増減(メジャーメント)もフィードバックしましょう!
– 目標のために設定した行動自体が増えているかも大切な指標
おまけ 行動契約書
– 結果にコミットするために言語化することも大事。
– 目標をそのまま書くのではなく ターゲット行動を記載
– 定期的に行動ができているかメンター(目標達成において信頼できる人)にチェックしてもらう
– 適度な「ご褒美」と「ペナルティ」も設定する
– 行動をチェックしてくれる以外の「サポーター」を付ける(SNSやブログで公開し過程を見てもらう)