発達障害者のために役立つ情報として就職に関することを書きたいと思います。
1.就職のための支援機関
自分の管理しているLINEのオープンチャット「ADHDのライフハック」の中の会話でよく出る質問に「精神障害者手帳を取ったけど、どうやって障害者として働けばいいの?」というのがあります。
一番簡単なのはハローワークの求職登録ですが、これは誰でもできるだけあって競争率は高い(特にコロナで就職が厳しい今後は激戦)です。ハローワーク以外には以下の支援機関からの就職というのがあります。
支援機関 | 障害者の特徴 |
地域障害者職業センター | ・同センターで職業相談・職業評価・職業準備支援を受けていて、本人の人柄や能力が把握されている。 ・地域にもよるが大都市圏になるほど精神障害者や発達障害者の利用が多い |
障害者就業・生活支援センター | ・就業上の支援や日常生活上の支援を必要としている。 ・精神障害者や発達障害者の利用が多い(地域不問で) |
就労移行支援事業所 | ・一般企業就職に必要な技術の習得に向けた支援が受けられる。(労働習慣や勤務マナーの習得やパソコン操作など) ・精神障害者や発達障害者の利用が多い |
障害者職業能力開発校 | ・職業訓練を受けられる。(経理・情報処理など専門的な知識を問われるもの) ・身体障害が中心だが、精神障害者や発達障害者の利用が近年急増中 |
特別支援学校 | ・翌年4月からの就職を見据えた職場実習を在学中に受けた障害を持つ学生 |
ハローワークでもトライアル雇用(お試し雇用)や職場に適応する準備のジョブコーチをやってはいますが、全員が受けられるわけではないので上記表のどれかに所属しておくと就職がしやすくなる傾向にあります。
皆さんの近所にどのような支援機関があるかを調べて担当者と情報交換した上で選ぶといいと思います。
2.面接時の留意点
一般企業で障害者採用をしている経験から思うことを書きます。まず狭い枠を争うことになる障害者雇用を受ける方々は「就職したい」という気持ちが健常者の方より強い傾向があります。そのため面接で無理をして能力以上のことを話してしまったり、緊張して自分の受けたい配慮を言い忘れてしまわれる方が多いです。
また企業の採用担当者が気にしているのは「あなたが入社したら会社はどんなことに気を付ければよいか」です。もちろんプライバシーにかかわる質問はできないので、どこまで聞いてよいか分からない、という事が多いです。なので面接に臨む際は以下の項目についてまとめておくとよいでしょう。
障害や治療 | ・持っている障害の状況(できないことがあれば必要な支援) ・治療や通院の必要性、服薬の状況 |
職務の遂行 | ・希望する(得意な)仕事とそのスキルの習得状況(パソコン操作や取得した資格など) ・コミュニケーション方法(特に聴覚や視覚過敏の人はその対応方法) |
職場外関連 | ・通勤上の問題(満員電車を避けた時差通勤など) ・起床時間や就寝時間、身の回りのこと(食事や健康管理など) |
最後に・・・雇う側からすると、以下をチェックしています。ここ要チェックですよ。
障害や治療 | ・特性を障害者本人が正しく理解している ・特性の自己管理ができる(通院や服薬または定期的な休暇など) |
職務の遂行 | ・職場のルールを守れる(聴覚過敏であれば事前に耳栓が必要なことを伝える) ・身の回りの基本的なこと(忘れ物をしない、整理整頓ができる) ・挨拶やほうれんそうができる(特に分からないことの相談やミスした際の報告) ・感情的にならない ・周囲と協調できる(少なくとも反目しない) ・就業時間中安定して仕事ができる |
職場外関連 | ・一人で通勤できる(振替輸送時の対応) ・規則正しい生活ができる ・ある程度の危機管理能力がある(無理をして働かないことも含め) |
少しは参考になったでしょうか?採用側は皆さんが自己コントロール力の高さを見せてくれることを期待しているわけです。皆さんの就職がうまくいくことを祈っています。