コロナのせいですっかり話題から取り残された感がありますが、リニアモーターカーが2027年に東京-名古屋間で開通することになっています。大阪までの開通目標は2045年です。名古屋までの建設開業に5.1兆円、大阪までだと9兆円かかると試算されていますが、代替建設費は水増しされるので7兆円、12兆円くらいは軽くいくでしょう。
鉄ちゃんというかリニアファンの方がいたら申し訳ございませんが、これって本当に作る意味あるんでしょうか?旅情を楽しみには短い(東京-大阪間は67分)し、ビジネスで使うにしてもコロナでリモート勤務・リモート商談が進んでいく中、移動の速さにどれだけの価値が認められるかは非常に不透明です。
無駄をそぎ落とし速さを追求するリニアモーターカーの設計思想は、太平洋戦争前に旧日本海軍が技術の粋を極めて作った「戦艦大和」(同形艦の武蔵)に似ています。結局戦艦としては世界最高でも百何十機という飛行機(爆撃機・雷撃機)の前にはなすすべなく沈没したのは、時代を読み誤った事例としてビジネス論でもモデルになるそうです。
小中学生や電車マニアにはワクワクする乗り物かもしれませんが、それが完成した時の時代がどうなっているかの想像も働かせないと「ただの乗車賃が高い乗り物」になりかねないので注意ですね。でもJR東海も後には引けないんだろうな~(ちなみに私は三陸鉄道のような地方のローカル線に魅力を感じます。こたつ列車乗ってみたい・・・)