自分の管理するLINEのオープンチャットで仕事関係の相談があったのでシェアさせていただきたいと思います。社会人になると報・連・相という(報告/連絡/相談を略した言い方)職場感コミュニケーションが必要で、特に分担したり途中までの経過を引き継ぐような業務では報連相が重視されます。今回は上司の方からの相談ですが、上司・部下どちらのの立場でも参考になるなと思います。
報連相をしない部下をどうやって教育するか?
概要
その部下は顧客に大損害を与えかねないミスをしました。本人はそのことに気づきミスの概要を書いたメモを作成したのですが、その日上司が休みだったのと、自分の勤務時間が終わりかけだったため、「誰かが見て上司に報告してくれるだろう」と皆が見るであろう共有スペースメモを置いておきました。実際、他のスタッフがそのメモに気付いて上司に連絡してくれてミスが発覚し顧客に連絡し事なきを得ました。
上司の言い分
・「上司である自分」「ミスをした顧客」いずれに対しても連絡入れていなかった。
・周囲に頼んで上司に連絡をしてほしいという働きかけもしなかった(メモを読んだ誰かが対応するだろうという希望的観測の対応)
・部下には①初めて経験するパターン②自分で対処不可なミスやクレーム については上司である自分に知らせるように言っていた。
・部下に改善の様子がなく語気を強めて指摘すると「パワハラです」と上司の上司に訴え、上司である自分が悪いかのように反応する。
・度々こういう事が起こっていて、この部下をどう扱い教育すればいいか分からなくなってきた。
回答
1.報告の抵抗感をなくす
部下が上司に相談しやすいように以下の言葉を習慣としてかけ続けるのはいかがでしょうか?
「忙しいときもあるけど、報告や相談は聞くよ。不安なことがあったら、判断を下す前に相談して!いつでも味方だよ」
報告があったら、以下のように褒めると効果的だと思います。
「そうそう、それでいいんだよ!相談してくれてありがとうね。助かった!」
など言っておくと部下との関係性も良くなり、一石二鳥だと思います。
2.連絡をマニュアル化する
「~があったときは上司の●●に連絡する」
「上司が不在・休みの時は**に連絡する」
「連絡内容は所定のフォーマットに沿って記入する」
などマニュアル化しておき、必要なときに本人が自己判断しないようにさせる用意をしてはいかがでしょうか?
3.部下の相談力を高める
なぜ部下がミスの対応方法としてその行動をとったか聞き出し、その行動でどんなことが起こり得たかを自分で考えてもらいましょう。他人事ではなく自分事として考える意識が本人に芽生えれば、同様のミスがあった時はもちろん日常業務でも
「これは相談すべき内容かもしれない」
と自然に行動できるようになるのではないでしょうか?
4.指摘の仕方に気を付ける
上司の上司にクレームを入れるということは、本人の中に「強く自分を否定された」というわだかまりがあると思います。相手の人格を傷つけないよう以下の点に留意してはいかがでしょうか?前にYouTubeで見た内容ですが、
「今目の前にある問題を明確にして解決しようと思う」から会話をはじめる
・最初に意図を話す
・あなたの性格と仕事の関連(報連相を怠った場合の問題)を話す
・人間性を否定する話ではない(直球に伝える)
・相手の性格や価値観の評価はしない
・反論するときは「問題を解決するために言うんだけど」を付ける
相手の事を感情的に嫌いになりそうな時は
・文句を20-30個まず紙に書き出す。
・共通点を探す、嫌いな感情の根底にあるものを発見する。
・嫌いな点を明確にし、その人のの全てが嫌いではないことを自覚する。
5.本人に自覚を促す意味で責任を取らせる
メモを残す=報連相で彼は報連相したと思っていたのではないでしょうか。過去に似たような人が同じ職場にいて指導した時に感じたのは、その時に下した自分の判断が正しい、ベストだと信じ切っている。報告すべき上司が休みだし、メモさえ残せば翌日出勤した時に対応するし、ワンチャンメモを見た誰かが上司に伝えてくれるだろうと自己判断してしまっている。
対応策としては逆療法かもしれないが、その対応が不完全で問題であるという事に気付かせる。例えば、さほど会社に大きなダメージを与えない、時間をかけてもいいからリカバリーできるレベルのミスであれば以下の対応を取る。
1.本人に最後まで対応させる。(先延ばしされるのも問題なので一定の時間の中で)
2.解決した時点で(ある程度でもOK)顛末を上司に報告させる。
3.そして上司としてダメ出し、次回以降の改善を促す(また同じ不始末をしないように)
大事なのは責任を押し付けることではなく、本人の自覚を促すことです。ミスをしても早く上司に報告すればミスの回復も早くできるし、怒られる時間も短い(子供が叱られないように努力するのと一緒です)。(放っておくとミスの回復にかかる時間も労力も多くなり、その分こってり上司に責められることになる。飴とムチで言うならムチの厳しさを教える)責めるだけでなく「これからは期待しているし、できると思ってるよ」みたいな褒めも入れましょう。