今回は私が社会人になってからADHDにどう苦しんだか、そしてADHDにどう気づいたかを書こうと思います。
1.社会人になってから
私は大学卒業後、運良く、社会人になれました。よくADHDをはじめとする発達障害は採用面接で失敗するという話を聞きますが、私はある意味当たりである意味違っていました。
面接は割と得意だった
私は就職活動をするにあたり自分の学部からそれがウケそうな業界をある程度定め、「だから君はここを選んだのか」と説得力を出すようにしました。また面接に際してはシナリオを作って「自分の強みはこうで、具体的には・・・を****な感じで—に取り組みました」とそれなりに説得力を持たせる話ができるようにしていました。
最近では就活生のエントリーシートは洗練されていて、私の内容はそれと比べれば特段目立ったものではないかもしれませんが、当時は「一貫性のあるしゃべり」はそれだけで評価されたので、当時は平成の就職氷河期だったにもかかわらず、割と多くの企業で面接はうまくいっていました。もっともどの企業も通っていたわけではなく、シナリオの暗記が通用しないその場で考えたことを説得力のある言葉で説明することを求められるような面接では臨機応変な対応ができない私は頭真っ白の説明もしどろもどろになってしまい、見抜かれてしまい合格できませんでしたが。
新人の基本の業務ができない
それでもある商社に入社でき、新人として配属されたのですが、新人として一番最初にやらされるのが事務処理なんですが、これが最初の挫折でした。
事務処理はADHDの苦手とする仕事の典型のようですが私もご多分に漏れずそうでした・・・
・「正確に」例:伝票の記載(日付、取引先コード、単価、諸掛り)を間違わずに、取引の種類ごとに伝票を分けて作成する。
・「同時並行で」例:仕入先A社とB社とC社をそれぞれ〇月分として支払い処理する。同時に販売先C社とD社にも請求処理をする。
・「進捗管理しながら」例:a~e取引の価格の返事を待ちながら、先行してf~k取引の処理を進め、全てを〇月×日までに完了する。
といったことが、日付や金額を間違って入力、期日に間に合わない、挙句の果てに、問い合わせ先の企業を間違って別の企業の仕入れ価格を教えてしまう、みたいな日々がドタバタ劇だったんですね。加えて悲惨だったのは私はアファンタジアなので、何かを見ながら別の何かに入力する間に見たものを忘れるため、何度も見直しが必要なので1つ1つの作業に膨大な時間がかかるわけです。
2年目に入って後輩ができても人に作業を振って管理すること自体が「正確に」教え、自分の仕事と「同時並行で」進めて、後輩の仕事内容のチェックを「進捗管理しながら」やらなければいけない仕事だったので、うまく仕事を教えることも振ることもできず、ほぼ私が2人分の仕事を丸抱えでやる、という暴挙で仕事をしていました。もう通常の営業時間は取引先からの電話や上司からの指示やメールが次から次へと来るわけですが、全然文字や声が頭に入らず、何かを聞かれても、まともな返事や指示ができませんでした。なので事務所の他の人が帰って少なくなる「夜からやればいいや」みたいな感じで仕事をしていました。
それでも若い1~2年目は体力はあったので、22時でも23時でも徹夜でも休日出勤でもやって終わらせればとりあえず仕事はやったことになっていたので、労働時間をひたすらつぎ込んでこなしていました。ただ「あいつは事務も後輩育成もできない」と思われたんでしょうね、3年目以降はイベント関係や営業や現場への出向といった別の業務を割り当てられました。そこでもミスは相変わらずですが、金額が絡まなかったり、周囲の人に与える影響も少なかったのでまあ一人でスベリながら仕事をしてたという感じでしたね。
2.私がADHDに気づいた経緯
私が「自分が大人の発達障害に該当し、中でもADHDでは無いだろうか?」という疑念を抱いたのは仕事がきっかけでした。
私は数年前に会社の人事異動で、これまで苦手としてきた「正確」「同時並行」「進捗管理」を必要とする、かつ初めてやるジャンルの仕事をすることになりました。これまでの業務経験はほとんど活きない内容です。
また上司も細かい点を指摘し、間違うと厳しい叱責をする人で、
「何でお前はこんなことができないの?」
「ミスが多すぎ。新入社員より信用されなくなるぞ」
と言われ続けながらも日々心を削られていました。それでも家族のためと思い頑張っていたのですが、
ある日心が限界に達したのか、通勤途中に貧血が続き抑うつ状態になり病院に通院するようになり、間もなく休職(4か月)しました。
その時はパワハラによる適応障害ということで治療を受けていました。少しでも早く回復せねばと思い、メンタル関係の本を読み漁っていた時に発達障害関係の本を読み、驚くほど自分が該当している点が多いことに気づきました。
例えば私は、
・事務作業が苦手でミスによるやり直しが多く発生し時間がやたらとかかる。
・同時に複数の業務を並行して進めるのがが苦手。
・(日単位、週単位、月単位など)時間を意識した進捗管理が苦手。
・優先順位がつけられず、どの仕事から手をつけたらいいのか混乱する。
・苦手なことは、重要性が高いものでも、後回しにしてしまい後で焦る。
・上司がどう思うかを深く考えず、思ったことを口にして、怒られる。
・批判や叱責に過剰反応する。(常に自分が悪いと思ってしまう)
仕事以外にも
・家の中で財布やスマホや眼鏡など何をどこに置いたかわからなくなる。
・不慣れなことや緊急事態で頭がフリーズして動けなくなる。
・(賭け事や着る服など)特定の行動や物に依存しやすい
・決めたことが長続きしない。(勉強や貯蓄)
こうして休職が終わると同時に、発達障害を診てくれる専門のクリニックへの通院を開始しました。
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