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1発達障害

No.2発達障害とは?

投稿日:2020-04-12 更新日:

発達障害とは

ここに訪問された方はADHDなどの発達障害について分かっているか聞いたことがある方、少なくとも関心をお持ちの方だと思います。今回はADHDを含む「発達障害とは何か」について解説していきたいと思います。
発達障害を知ることで、ADHDや更に横の関係にあるASDやLDについても理解が深まり、生きづらさ解消のヒントにつながると思います。ちなみに発達障害ではない人の事を「定型発達者」といいます。

定義

発達障害はいくつかのタイプに分類されており、自閉症、アスペルガー症候群、注意欠如・多動性障害(ADHD)、学習障害、チック障害、吃音(症)などが含まれます。
これらは、生まれつき脳の一部の機能に障害があるという点が共通しています。同じ人に、いくつかのタイプの発達障害があることも珍しくなく、そのため、同じ障害がある人同士でもまったく似ていないように見えることがあります。個人差がとても大きいという点が、「発達障害」の特徴といえるかもしれません。

上の図を見てください。発達障害は主に以下の3つに分けられます。(厚労省の定義では含まれていたチック症と吃音は、幼少期にはあっても大人になると治る神経疾患であるという考えもあるので省略します)

自閉スペクトラム症(ASD)

注意欠如・多動性障害(ADHD)

学習障害(SLD)→ちょっと前までLDと呼ばれていました。

これらの特性が単独で現れる場合もあれば、複数現れることもあるというのが特徴です。私も独自のこだわりを持ち(ASD要素あり)、計算や推論が苦手な(学習障害あり)ADHDであると言えます。では障害の特性を1つずつ解説します。

ASDの特徴

自閉スペクトラム症(ASD)には

・社会的コミュニケーションおよび対人交流の困難(人付き合いが苦手)
・行動、興味、または活動の限定された反復的な様式(こだわりの強さがある)

という特徴的な2つの特徴があり、知的障害を伴う場合と伴わない場合があります。分かりやすい特徴は以下のとおりです。

1)対人関係構築の困難
・他人と目を合わせない
・状況に自分の行動をあわせることが苦手
・皮肉やたとえ話を理解できない
・難しい言葉や独自の表現を好んで使う

2)行動、興味、または活動の限定された反復的な様式
・ルーティンや単純さを好む
・ルーティン以外を嫌い、複雑・柔軟な考え方をすることが苦手
・特定の感覚(視覚、聴覚、味覚、触覚)の好き嫌いが激しい

上記に関する社会生活上の困難さは以下のとおりです。
相手を無視するような反応を示す。相手が「困ったこと言ってね」と言った時に(自分が困ってないからいいやと思い)返事をしない。目の前に人がいても(言葉さえ通じれば会話は成立すると思い)視線を合わせずに会話をする。
共同作業で浮いてしまう。自分の作業が終われば(皆が忙しいそうにしていようがお構いなしに)帰るなど、集団や組織の中の暗黙のルールが理解できない。
音や照明、温度に過剰に敏感・鈍感。人込みにいるだけで疲れる。化粧や柔軟剤のにおいがする人の側にいると立ち眩みする。
特定の事物や手順がないことににストレスを感じ、時にパニックを起こす。マニュアルがなく臨機応変さが求められる仕事、工事でいつも通る道が使えない、決まった時間に電車が来ない等

ADHDの特徴

①不注意②衝動③多動の3つの症状を特徴とする障害です。

1)不注意

・うっかりミスが多い。
①同じようなミスを何度もする。そもそも誰でもミスはするのですがADHDの場合は②本人は注意しているつもりでも高頻度でミスをするのが特徴です。このため大掛かりな指導や研修を受けさせても改善効果は低いです。ADHDの人は人事や経理に向かないと言われる所以です。

・気が散りやすい
注意の均等分散ができないため、何かに集中しているときに話しかけられたり、電話がなると作業に注意を残しつつも他方にも注意を向けられるのが定型発達です。しかしADHDの場合、注意の対象が100%自分に話しかけてきた人や電話に向いてしまいます。このため中断後の再開に時間がかかったりミスが増えたりします。何かに注意が向いた際に持っている物への意識を忘れることもあります。なので忘れ物や紛失が多いのもの特徴です。

・過集中(労力や時間配分のアンバランス)
→仕事で会議の準備をする際に「叩き台」的な資料作りを作らされる時があるととします。上司に「70%の出来でいいから30分くらいで作って」と言われたことを、定型発達の人は時間や作業量を頭の中で意識しながらやろうとします。ADHDの場合、この意識を持続できず、気づくと2-3時間かかってしまい呆れられることがよくあります。全体のバランスを考える力が弱く、自分が気になったところに労力と時間を注いでしまいがちなのです。

2)衝動・多動

・すぐ決めてしまい、止まることができない
→衝動性と多動性は似ていますが、①衝動性は思いついたことをまずやってしまう癖、②多動性は落ち着かない癖だと思ってください。

衝動性は、作業を終えるとチェックせずに次のステップに進もうとする、TPOをわきまえない格好や発言をする人に当てはまる特性です。

多動性は、長時間の会議での貧乏ゆすりをしてしまう人や、有名ラーメン店やアミューズメントパークの行列待ちが苦手な人に当てはまる特性です。

学習障害(SLD)の特徴

知的発達、聴覚・視覚機能に問題がないにもかかわらず「聞く」「話す」「読む」「書く」「計算・推論する」ことが、極端に苦手な特性です。知的障害がある場合と異なるのは全体的にできないわけではなく、特定のどれかが(または複数)ができない点です。

1)読字障害(ディスレクシア):字を読むことの困難です。
・音読の速度が遅い。
・文字や行を読み飛ばしすることが多い
・語尾や文末を読み間違えることが多い
・「ろ」や「る」など形の似ている文字を見分けることが難しい
・言われた言葉を聞き間違えることが多い

2)書字表出障害(ディスグラフィア):文字や文章を書くことの困難です。全く書けないわけではなく、平仮名は書けるが漢字は書けないなどのアンバランスさが特徴です。
・画数の少ないひらがな/カタカナで書けない文字がある
・画数の多い漢字を覚えられない。一度覚えても忘れやすい

3)算数障害(ディスカリキュリア):算数、推論の困難です。数字そのものの概念や、数量の大小、図形や立体問題の理解が難しくなる症状です。
・数を数えるのが苦手、時計が読めない、時計も分からないことがある。
・算数の簡単な1桁の足し算や引き算の暗算ができない、九九が言えない。
・図形の模写(視写)が困難。暗算が苦手

発達障害の困りごとは社会生活

発達障害はこの世で1人で生きるのだとしたらさほど困らないでしょう。しかし共同体の一員として役割分担が求められると大きな障害になります。自分の言動で相手が不快になる、締め切りや手順を守って業務ができない、大事な書類や請求書をなくす、などです。

また世の中の多数が定型発達であることも発達障害のある人が苦しむ原因です。定型発達の人は視覚・聴覚・言語の認知バランスは取れていますし、臨機応変な対応もできます。定型発達者と同じ前提で仕事や学校を含めた日常生活することを求められても認知の凸凹の多い発達障害の人にはできなかったり、低水準にとどまるという社会的な認識がまだ十分ではありません。身体障害のように見た目で分かる障害ではないのが発達障害の辛さなのです。

ただ、発達障害者も社会で生きる以上、日常生活に支障をきたすレベルであれば、発達障害の対策を講じなければいけません。なので悩んでいる方はなるべく早く専門の医師に相談すべきと私は思います。先天性の脳の特性に対処するには一人の力では限界があるからです。

幼少時から手を打った方が本人の人生は生きやすくなるのは確かですが、大人になってからだって遅くはありません。これからの日本は人口が減少の一途です。一方で情報化社会になり、一人当たりに求められる日常生活情報や仕事の業務処理量が増える一方です。そして繰り返しますが、これからの人口減・情報化が進んでいく社会も定型発達者に合わせてデザインされることは間違いないでしょう。そのためにもマイナスに働く特性の克服を早めに行う必要があります
何歳から始めても遅すぎることはありません。発達障害に気づいたらすぐに行動しましょう!(特にADHDは先送りにする癖が強いので)

自分ひょっとしたら発達障害?

ADHDの関連因子

遺伝する確率は約70%前後 

決めつける訳ではありませんが、親がADHDの場合、50〜80%(平均70%)の確率で子に発達障害が遺伝するという研究結果が出ています。遺伝が全てではないとはなぜかというと、ADHDは遺伝要因に加えて①貧困②虐待などの「後天的な」環境要因が組み合わさることで生きづらさが顕在化するからなのです。自分のADHDを含めた発達障害を疑うとき、両親や兄弟で発達障害の傾向がある人がいないか見てみましょう。

なお、私の両親はともに発達障害の傾向がありますね。特に私は父親似のような気がします。相手の反応見ずにズケズケ話したり、相手の会話にかぶせるように発言して相手を困惑させたり・・・自分の欠点を親を通して知るって結構複雑ですよ(-_-;)

なおADHDの発症にかかわる決定的な遺伝子はまだ発見されていないものの、関与している可能性のある遺伝子がいくつか指摘されてはいます。

・ドーパミン関連受容体
・セロトニン受容体
・シナプス関連

次の記事で書く予定ですが。ADHDの治療薬(ストラテラ・コンサータ)の効果からみても、ADHDに脳内のドーパミン受容に関する遺伝子が関連しているのではないかということは、医療関係者のなかでは定説となっています。

念のため遺伝以外のADHDの関連因子として以下の研究も進められています。

・母親の周産期歴(未熟児、母体内感染症の有無など)
・合併症(知的障害・てんかん・アレルギーなど)
・療育環境(予防接種歴、周囲の喫煙者の有無、貧困など経済状況、虐待の有無など)

母親の早産や合併症は脳に対する影響という意味で理解できますが、療育環境はどうなんでしょう・・・貧困や虐待を受けてADHDになったというよりは、遺伝的に親がもともとADHDで、生きづらさを抱えた結果貧困になり、そのうっぷんをADHDが遺伝した子供で晴らそうとして虐待して2次障害とともにADHDが発覚した・・・というのが実態ではないでしょうか?

自己テスト(病院に行く前に)

ここまで読んで「自分も発達障害なのでは?」と不安になった方もいらっしゃるでしょう。
大人の場合、発達障害の診断は①WAIS3(No.5の記事で説明予定)という心理検査+②幼少期の状況のヒアリングを加味して診断します。
それでもテストを行うまで3週間ほど待ちました。近年は大人の発達障害が増えているのか、こういう診断も予約待ちが多いようです。

以下の簡単なテストをお勧めするので実施してみてください「精神疾患の診断・統計マニュアル 第5版」というアメリカ精神医学会にもとづくものです。

1)不注意傾向
以下の10項目に5つ以上あてはまる状態が6か月以上続いていたら該当

□細かい注意を払うことができない。
□不注意から失敗することがよくある。
□注意を持続しつづけることが難しい。
□話しかけられても聞いていないように見える。
□指示されたことをやり遂げることができない。
□順序立てて課題を進めることが難しい。
□継続して課題に取り組むことが難しい。
□よく必要な物をなくす。
□よく関係ないことで気が散る。
□忘れる・抜け漏れることがある。

2)多動性/衝動性傾向
以下の8項目に5つ以上あてはまる状態が6か月以上続いていたら該当

□そわそわと手足を動かしたり座っていても、もじもじ動いてしまう。
□着席しつづけるのが難しく離席してしまう。
□じっとしていられないような気分になる。
□静かに遊びや余暇活動に取り組むことが難しい。
□勢いよく行動し続ける、じっとしていると落ち着かない。
□しゃべり過ぎることが多い。
□相手の話が終わる前に話し始めてしまう、相手の言葉を先取りして話してしまう。
□他の人の活動を遮って邪魔をしてしまう。

※ 具体的な診断を受ければ分かるが、これらの項目の中には①自分が12歳以下だった時でも該当していること、②社会生活の中でこれらの状態が複数の場面でみられることも診断の基準になります。

No.5の記事では初めての通院とその準備について説明します。

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